【Momo by Michael Ende】2.でまかせネーミングを翻訳する

※本記事内の引用文はすべてPuffinBooks社の英語版Momoから引用して掲載しております。
※本記事はモモのストーリーのまとめや要約を目的としたものではありません。ご興味のある方はご自分で、英語または日本語の本を読むことをお勧めします。

3.Makebelieveから

今回は大島かおりさんの訳と比較させていただきます。

モモが円形劇場に住み始め、すぐに近くの大人とも子どもとも友達になります。
子どもたちとの遊びの一幕。

‘From what you say,’ said Moira, ‘it must be a Blancmangius viscosus.’

‘Perhaps,’ Sarah chimed in, ‘though it could equally be a Jellybeania multicolorata.’

‘In my opinion,’ he said, ‘ we’re dealing with a variety of the common Chocolatus indigestibilis,’

つるつるの”ガラスの島”に上陸し、その奥に光があるのを見て科学者たちが生物種を同定しようとしているシーンです。イタリックになっている部分がそれぞれが挙げている生物種ですが、これはもちろん、その場のでまかせです。

Blancmangiusはおそらくフランス語由来のblancmange(白い食べ物の意味)、そう、ブラマンジェ。これにラテン語の接尾辞-iusをつけたものと思います。
viscosusは「粘性」でおそらくラテン語由来。硬めのブラマンジェ?

二人目のJellybeania multicolorataはもっとふざけています。私は読んだ瞬間に百味ビーンズ?と思いました。Jellybeansにラテン語の接尾辞-iaを付けたものでしょう。multicolor=マルチカラーにやはりラテン語の接尾辞-ataを付けて学名っぽくしています。お腹が空いていたのかも?

三人目のheは最初にガラスの島の詳細について言及した教授です。a variety of a common A=Aの変種、の部分に学者的なこだわりを感じますが、Chocolatusはチョコレートにラテン語-us、indigestibilisはGoogleによればラテン語と判定されます(本当かなぁ?)が、意味はindigestible=消化できない、ということだと思います。食べられないチョコレート。
「ガラス要素はどこに行ったんだ?」と見ている大人なら思いそうですが、おそらく二人の食べ物ネーミングに引っ張られたんでしょう(笑)

ここで大島かおりさんの訳を抜粋させていただきます。

  • Blancmangius viscosus → ヒトクイオタフク・ビストロツィナリス
  • Jellybeania multicolorata → オオグライ・タペトツィフェラ
  • Chocolatus indigestibilis → オバケアシ・チューチューネンスス

注意が必要なのは、大島かおりさんは原語(ドイツ語)から翻訳したもので、私が読んでいる英語版はJ.Maxwell Brownjohnというイギリス人が翻訳したものということです。※ChatGPT調べ。

ドイツ語は読めないので英語版の食べ物に寄ったネーミングがマクスウェルさんのセンスなのかわかりませんが、翻訳の妙が見て取れます。
大島かおりさんの方はどことなく語感を真似ながら、この化物の恐ろしさを予感させるような訳なのかなと思います。

子どもたちの航海は続き、ついに目的のTravelling Tornadoと遭遇し、台風の目の中心でものすごい勢いで回転している怪物(?)を発見します。この時の教授のセリフ。

‘a Teetotum Elasticum!’

Elasticumの方はElastic=弾性のあるのラテン語で合っていると思います。Teetotumというのは何と言うか、サイコロ独楽?古代ギリシャやローマから存在するもののようです(画像検索してみるとおもしろいですよ)

ただしこれは原語のドイツ語だとSchum-Schum gummilastikumとなっているようです。Schum-schumってなんだろう?と思いましたが、ChatGPT氏によると、特定の意味はなく語感の繰り返しによる言葉遊びみたいなものだろう、ということです。
これを英語版にする時に、Teetotumという回転するという性質を含み、一般に馴染みがなくて、しかもt音の連続する言葉遊びのような響きの単語を選んだのはすごいなと思います。

今回はここまで!

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